2026.10.24
終活
見守り契約とは?任意後見が始まるまでの期間をどう支える?
任意後見を契約しても、すぐには始まりません
将来の認知症に備えて任意後見契約を結んでも、契約したその日から任意後見人が財産管理を始めるわけではありません。
任意後見は、本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任することで効力が生じます。
では、
「まだ元気だけれど、一人暮らしなので将来が心配」
「最近、病院や役所へ行くのが大変になってきた」
という時期は、どのように支えてもらえばよいのでしょうか。
そこで検討されるのが「見守り契約」や「財産管理委任契約」です。
見守り契約とは?
見守り契約は、信頼できる人や専門家が本人と定期的に連絡を取り、生活状況や健康状態などを確認するための契約です。
例えば、
・月に1回電話をする
・定期的に面談する
・健康状態や生活上の困りごとを確認する
・必要に応じて家族へ連絡する
・判断能力に変化がないか確認する
といった内容をあらかじめ決めておきます。
特に一人暮らしの方や、離れて暮らす子どもに心配をかけたくない方にとって、将来への備えの一つになります。
見守り契約だけでは預金管理はできません
ここは注意が必要です。
見守り契約は、本人の状況を確認することを主な目的とするものです。
そのため、
「代わりに銀行でお金を下ろしてほしい」
「公共料金や施設費を支払ってほしい」
といった財産管理まで当然にできるわけではありません。
本人に判断能力はあるものの、身体が不自由になり、財産管理を任せたい場合には「財産管理委任契約」を併せて検討します。
財産管理委任契約とは?
財産管理委任契約は、本人の判断能力があるうちから、信頼する人へ一定の財産管理を任せる契約です。
契約内容によって、
・預貯金の管理
・生活費の支払い
・公共料金の支払い
・家賃や施設費の支払い
・各種契約に関する手続き
などを委任することができます。
任意後見との大きな違いは、判断能力が十分な時期から利用できる点です。
「見守り→財産管理→任意後見」という流れ
将来に備える方法として、次のような段階的な設計が考えられます。
第1段階 元気な時期
見守り契約
定期的に連絡を取り、生活状況や健康状態を確認します。
第2段階 身体が不自由になった時期
財産管理委任契約
本人には判断能力があるものの、銀行や役所へ行くことが難しくなった場合などに、財産管理を支援します。
第3段階 判断能力が低下した時期
任意後見契約
家庭裁判所によって任意後見監督人が選任され、任意後見人が契約で定めた範囲の財産管理や各種手続きを行います。
このように、本人の状態に応じて支援を切り替えていく方法があります。
見守りが「任意後見を始めるタイミング」の確認にも
任意後見契約を作成しても、本人の判断能力が低下したことに周囲が気付かなければ、任意後見監督人選任の申立てにつながりません。
特に一人暮らしの場合は、この点が重要です。
定期的に本人と接する人がいれば、
「最近、お金の管理が難しくなっている」
「同じ話を何度もするようになった」
などの変化に気付きやすくなります。
見守り契約は、単なる安否確認だけでなく、必要な時期に任意後見へつなぐ役割も期待できます。
死亡後まで考えるなら別の準備も必要です
見守り・財産管理・任意後見はいずれも、生前の支援を中心とした仕組みです。
本人が亡くなった後について、
・葬儀や納骨
・施設や賃貸住宅の退去
・公共料金の解約
・家財の整理
などを特定の方へ任せたい場合には、死後事務委任契約などを検討します。
また、財産を誰に残すかについては遺言を準備します。
元気なうちから「切れ目のない支援」を考える
将来への備えは、任意後見契約だけを単独で考えるより、
見守り → 財産管理 → 任意後見 → 死後事務・遺言
という時間の流れで考えると分かりやすくなります。
アーク行政書士事務所では、
・見守り契約
・財産管理委任契約
・任意後見契約
・死後事務委任
・遺言書作成
など、ご本人の希望やご家族の状況に応じて整理しています。
「まだ元気だけれど、将来一人で生活するのが心配」という段階から、お気軽にご相談ください。